学校コンサルタント奥田雄一郎がこっそり教える「選ばれる学校」になるためのヒント

コアネット教育総合研究所プロジェクトリーダー奥田のブログです。テーマは主に、教育や学校経営、Web、ICTなど。

こんな学校サイトは嫌だ!学校サイトづくりで陥りがちな【7つの落とし穴】(前編)

こんにちは!コアネット教育総合研究所奥田です。


今回は、ちょっと挑戦的なタイトルを付けてみました・・・!


今や名実ともに「最重要」の広報媒体となった自校サイトですが、
リニューアルや日々の運用には、意外な落とし穴があります。


もしかすると、貴校にも当てはまることがあるかもしれません。
それぞれの項目に該当するか、チェックしながら読んでいただければ!


それではさっそく「7つの落とし穴」を紹介していきます。


1.文字ばかりで写真や図表が少ない


これは直感的に「確かに」と思っていただけるのではないかと。
実際に自分で文字ばかりのサイトを開くと、げんなりしますよね?


他のことでもそうですが
いざ作り手側になると作り手の都合を
優先してしまいがち
になるので、注意が必要です。


特に図やグラフは、考えるのもデザインにも手間がかかるので
学校サイトへの掲載を避けてしまいがちです。


しかし、そもそも人間の脳の構造上
モニタごしに文字を読むのは、紙上の文字を読むのに比べ、
やりにくい
のだそうです・・・!


ですから、やはり学校サイトに載せる文字は、少ない方がいい。


同じ情報を伝えるにも、できるだけ図表に置き換えて提示する。
あるいは随所に関連する写真を入れる。


どうしても文字が多くなる箇所は
せめて小見出しをつけたり、大事な箇所を強調したり
パッと見でも理解しやすいようにする。


左脳だけでなく、右脳でも理解してもらえるよう
意識して作るのが大切です。

2.掲載されている情報のほとんどが紙の学校案内と同じ


これもまた、言われてみれば・・・ということではないでしょうか。


作り手の立場としては、できるだけ省力化したいので
紙の学校案内の内容をそのまま
学校サイトに移し換えたく
なります。


けれど、やはり受け手側の視点になってみれば
このやり方はよろしくない。


紙の学校案内が学校サイト訪問のきっかけとなることは
少なからずあります。(もちろんその逆も然り)


その際、両者の内容はほぼ同じだったら、どうでしょう?


「なんだ、同じ情報か。
わざわざ見に来たのに、損した気分」


と思う人も、少なくないのではないでしょうか??


せっかく貴校に興味をもってくれた人を失望させないためにも、
紙の学校案内と学校サイトの差別化は必要です。


動画やブログなど、「ウェブならでは」のコンテンツを
増やすことを念頭に置きつつ、工夫するのがよいでしょう。


3.知りたい情報にたどりつきにくい


ここでいきなりですが、質問です!


トップページのメインメニューに
「学校紹介」と「教育内容」が含まれる
学校サイトがあったとします。


もしあなたが「進路実績」のページを探していたら
果たしてどちらのリンクをクリックするでしょうか?


もちろん、上記2リンクとは別に「進路」のリンクがあれば
迷わずそちらを選ぶでしょう。


しかし、それもなければどうでしょう?















・・・「判断できない」ですよね(^^;


実際、進路実績を「学校紹介」に載せている学校も
「教育内容」に載せている学校もあります。


けれど、トップページからだと
どちらに知りたい情報が載っているのか分からないわけです。


これが大問題!


いくら貴校に興味をもって訪問してくれたとは言え、
ウェブユーザーの気持ちは大変に移ろいやすいもの。


「知りたい情報にたどりつきにくい」
「知りたい情報を、いちいち探さないといけない」


という状況がストレスとして積み重なり、それが一定値に
達すると「サイト離脱」という行動になってしまいます。


ですから、よく見られるページについては、
トップページからの行き方を「これでもか」と
分かりやすく示しておく必要があるのです。



以上!今回は「7つの落とし穴」のうち、3つをご紹介しました。
次回「後編」では、残りの4つを紹介していきます。お楽しみに(^^)

それではまた!

魅力的な学校ビジョンをつくるには!?最初に押さえておきたい【3つのポイント】

こんにちは!コアネット教育総合研究所奥田です。

 

私が学校経営支援という仕事に携わって、早9年・・・

 

 

特にWebや広報周りの仕事に携わる機会が多く

支援校にも「校長ブログやりましょう!」とか 言ってきているわけですが。

 

あるとき

「よく考えたら、自分でブログ書いたことなかった・・・!」

という衝撃の事実に気づいてしまいまして。はい。

 

いやいや、Facebookページやメルマガの 企画・運用は経験あるんですよ。

それに、コアネットの研究員ブログは 他に4つもあるしなあ。←言い訳

 

とはいえ「気づいたからには、やらいでか!」 ということで、一念発起。

 

晴れて本日より、私も「ブロガーデビュー」させていただきます・・・!!

 

ジャンルとしては、教育関係の論考や時事ネタを中心としつつも、

Webやテクノロジー周りの話題にも触れていきたいと思います。

 

まずは週1ペースが目標です!

慣れてきたら週2くらいにしたいところですねー。

 

さてさて、前置きはこれくらいにして。

記念すべき(?)第一回記事は「魅力的な学校ビジョン」について。

 

いきなり骨太なテーマに挑んでおりますが、

果たしてちゃんとまとまるのか・・・(^^;

 

なにはともあれ、まずはご笑覧ください。

 

◆そもそも学校ビジョンとは?

 

コアネットが定義するところの「学校ビジョン」は

以下の3つの要素に分解できます。

 

1.教育ビジョン 

 (=育てたい人間像と、それを実現するための教育活動の指針)

2.学校組織ビジョン

 (=学校組織として将来どうありたいか)  ※生徒数などの経営指標を含む

3.教職員ビジョン

 (=あるべき教職員の姿)

 

いずれも、一貫性ある学校経営を行っていくにあたり、

欠くべからざるものだと言えるでしょう。

 

逆に言えば、これらが不明確な状態で、

教育手法や組織体制などを個別に変えても

それらは方向性のある「改革」にはなりません。

 

また、学校が存続し続ける限り 受け継がれる「建学の精神」と違い

学校ビジョンは時代に合わせて変わり得るものです。

 

学校ビジョンを、内外の環境変化に応じて つくり変えていくことは、

変化の激しい昨今において ますます重要な取り組みになってきています。

 

以上、非常に簡単ではありますが、

学校ビジョンの定義と意義を確認しました。

 

以降は、いよいよ本題。

魅力的な学校ビジョンづくり 「3つのポイント」をご紹介していきます!

 

◆ポイントその1:建学の精神を受け継ぐ

 

不易と流行。

何を変えるかを決めることは、 何を変えないかを決めることでもあります。

 

新たなビジョンをつくる際にも 「変えないもの」「受け継ぐもの」を

明確にしておくことはとても大切。

 

ただし、建学の精神の「文言そのもの」や

それに基づく「伝統」にとらわれすぎてはいけません。

 

単純にそうしてしまうと

例えば「女子教育」を掲げて創設された学校は

どうやっても共学化できないことになってしまいます。。。

 

むしろ

「創設者が現在にいたら、どういう判断をするか」

「その判断の根本にある想い、思想はどんなものか」

こういったことを想像することが重要です。

 

時代が変わっても残るものこそ 「建学の精神」と

言えるのではないでしょうか。

 

◆ポイントその2:自校の強みを活かす

 

サイとキリンは、どちらも草食動物です。

しかし、たとえ同じエリアに住んでいたとしても、

食べる植物の部位や種類は大きく違います。

 

「いきなり何の話を!?」とお思いかもしれませんが、

要は、学校も同じですよ、ということです。

 

受験生・保護者の期待や、競合する学校の特色、

そしてもちろん自校の特色を鑑みて、自校の強みを見極め、

それを活かしてビジョンをつくっていく必要があります。

 

つまり、学校にも「ポジショニング」の視点が必要だということ。

 

企業では当たり前の考え方ですが、近年ようやく、

学校経営の世界にも普及しつつあるように思います。

 

学校の意思決定は、ともすれば「他校との横並び」志向に

陥りがちなので、ビジョンづくりの段階から、しっかりと

独自のポジショニングを織り込んでおく必要があります。

 

◆ポイントその3:独自の将来観から逆算する

 

デューク大学のCathy Davidsonの研究によると

「2011年度にアメリカに入学した小学生の65%は、

大学卒業時には今は存在していない職に就くだろう」

ということ。(最近よく目にしますね、この引用)

 

この予測の精度はともかく

現在そして将来の生徒たちが生きていく世界は

現在とは大きく異なったものになるのは間違いないでしょう。

 

だとすれば、学校としても出来る限りの将来予測を行い、

ビジョンに反映していくべきです。

 

さらに学校の場合「どんな将来社会をつくっていきたいか」

つまり「理想の将来像」を構想することも必要です。

 

なぜなら教育は、それを取り巻く社会からの影響を受ける一方、

社会そのものを変えていく可能性も持っているからです。

 

これは私の持論ですが、

たんに予測された将来にうまく適合できるだけでなく

「予測と理想のギャップを埋める人」 こそが、

真に育てたい人材だと言えるのではないでしょうか。

 

ちなみに生徒募集の面から見ると、

ここをしっかり考えられているかが重要です。

 

なぜか。将来観を示すことは、受験生の親御さんに

「学校選択の基準のひとつ」を提案することでもあるからです。

 

変化の激しい時代にあって

学校選択の基準そのものが揺らいでいる

ご家庭は少なくありません。

 

そのため、明確かつ独自の将来観と、

それに基づく学校ビジョンを 明示してくれる学校を、

魅力的に感じてもらえるのです。

 

以上、学校ビジョンづくりにおいて、

最初に考えるべき3つのポイントを整理してみました。

 

近いうちに、上記のポイントを踏まえたビジョンづくりの

具体手法についても書いてみたいと思いますが

今日はここまでと言うことで・・・

 

初ブログ、書くのに意外と(?)時間がかかってしまいましたが

めげずに今後も更新していきたいと思います。

 

よろしければ、また見てください(^^)

 

それではまた!